羊形兕觥(じこう)の続き

ひつじ話

羊形兕觥(じこう) 羊形兕觥(じこう)後部 
方形の蓋の先端は羊の首となり、曲った角と丸く脹らむ大きな目、剥き出した牙、大きな鼻がある。

 「周王朝・豊かなる遺宝 中国陝西省宝鶏市周原文物展」カタログ 

以前ご紹介したことのある羊形兕觥(じこう)のカラー写真(しかも背後からのもの付き)を見かけましたので、改めて。……あの顔の突起、牙だったのか……。

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ザンセツソウ in 咲くやこの花館

ひつじ春夏秋冬

GWなので(?)、ちょっと遠出をして、大阪は鶴見緑地公園内にある、咲くやこの花館に行ってまいりました。
見たかったのは、これ。

ザンセツソウ
キク科 ニュージーランド
英名はズバリ「ベジタブルシープ(植物のヒツジ)」、
遠くから眺めるとうずくまったヒツジのようにみえることから名付けられました。
高い山に生育し、寒さから身を守るために枝と葉を密接させてまるでクッションのような姿となります。
一見するとコケと間違いそうですが、初夏には黄色い花を咲かせます。
なお、ニュージーランドに育つ同じキク科のHaastiaもベジタブルシープと呼ばれます。

羊似の植物というと、以前タカワラビを見に行ったことがあるのですが、こちらはキク科。
さて、羊にはどんなふうに似ているのかと、「高山植物室」のコーナーに向かいます。
なんか白い!
あっ、白い! あれですよ、あれ!
間近で 遠目で
近寄ってみたり、離れてみたり。遠くから眺めれば、たしかに羊に見えそうです。タカワラビは根っこのふかふか具合がヒツジ、ということでしたが、こちらは羊背岩と同じ理屈なのですね。
いやまぁ、伝説の植物羊みたいなのがあってもたいへんですし。

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ジュリアン・デュプレ 「羊飼いの女」

ひつじ話

「羊飼いの女」

「中村コレクション秘蔵の名品 コロー、ミレー バルビゾンの巨匠たち展」カタログ

昨日に続いて、バルビゾン派を。「羊飼いの女と羊の群れ」をご紹介している、ジュリアン・デュプレの「羊飼いの女」です。

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トロワイヨン 「牧場の牛と羊の群」

ひつじ話

「牧場の牛と羊の群」 「牧場の牛と羊の群」(部分)

「中村コレクション秘蔵の名品 コロー、ミレー バルビゾンの巨匠たち展」カタログ

「樹木のある風景の中の牛と羊」、 「市の日」「水を渡る牛」をご紹介している、バルビゾン派の巨匠コンスタン・トロワイヨンの「牧場の牛と羊の群」です。

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リシマコスのコイン(続き)

ひつじ話

リシマコスのコイン

 「古代トラキア黄金展」カタログ 

以前ご紹介した、羊の角がついたアレクサンダー大王のコインです。カラー写真がありましたので、あらためて。

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「ファーブル博物記」

ひつじ話

先頭にはロバたちが、身の回り品や食料を背負って進む。
(略)
旅の途中で生まれて、群れについて歩くには弱すぎる子ヒツジたちを、土地の民芸品の大きな笊の中にいれて、ロバの一頭が運んでいる。
かわいそうに子ヒツジたちは、ロバの動きにあわせて、メー、メー鳴く。すると母親たちも、ヒツジの群れの中からそれにこたえる。
(略)
アルプス地方の生け垣の中から切りとった、モチノキの杖をもち、粗布の大きなマントで肩を包んだこの男は、いったい何者だろう? それは群れの責任者で、羊飼いの親方だ。
かれのすぐあとに、愚かなヒツジの群れの指導者である雄ヒツジたちが道を進む。雄ヒツジの角は、鋭く螺旋状に二回り、三回りも巻いている。雄ヤギやロバと同じような白い木の首輪をしているが、名誉のしるしである特大の鈴には、鈴を鳴らす舌としてオオカミの歯がついている。
さらに赤い羊毛の房飾りが、もうひとつの栄誉のしるしとして、横腹と背中の毛につけてある。

ジャン・アンリ・ファーブルの「博物記」シリーズから、「人に仕える動物」の「ヒツジ」の章を。フランス南部での、羊の移牧の様子が描かれています。

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ヤコポ・バッサーノ 「羊飼いたちへのお告げ」

ひつじ話

「羊飼いたちへのお告げ」

 「イタリア・ルネッサンス・ヴェネツィア派名作展」カタログ 

「牧者の礼拝」「ノアの箱船に乗り込む動物たち」「楽園」をご紹介している、ヤコポ・バッサーノの「羊飼いたちへのお告げ」です。

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バッドランドオオツノヒツジ

ひつじ話

オオツノヒツジの仲間はかつて、カナダ南西部からカリフォルニア半島を含む北メキシコまで、北米大陸の広大な範囲に分布していた。バッドランドオオツノヒツジもその1亜種だった。
もともとはロッキー山脈に棲んでいたが、次第に南北ダコタ州とネブラスカ州に移動を始め、岩石がむき出しのバッドランドと呼ばれる地帯に棲息するようになっていた。
(略)
バッドランドオオツノヒツジの棲息する荒れ地には、アメリカの先住民スー族が住んでいた。
スー族はヒツジたちを捕らえて肉を食べ、皮を利用していたが、狩りの方法が一風変わっていた。
頭に角をつけて偽装し、群れに接近して捕まえるのだ。ただ、その数はごくわずかなものでしかなかった。
しかしヨーロッパ人のハンターたちは遠慮なしだった。バッドランドオオツノヒツジの角は、部屋飾りとして喜ばれた。

「子羊のぼうけん」「シートン動物誌」でお話しているオオツノヒツジ(ビッグホーン)の、絶滅した亜種についての解説です。

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「儚い羊たちの祝宴」

ひつじ話

パパは朝、夏さんに晩餐の仕度を命じた。夏さんはうやうやしく「かしこまりました」と言った後、淀みなく続けた。
「急な宴ですので、山海の珍味を整えることは難しいかと存じます。主菜には羊頭肉の薄切りはいかがでしょうか」
パパは眉をひそめた。
「羊頭というのは羊の頭か。そんなものが旨いのか」
「佳品でございます」
(略)
朝、費用の内訳にママが目を剥いた。
「なんなのこれは、どうしてこんなに」
見せてもらって、わたしも驚いた。『羊頭十二個』。羊をまじまじと間近で見たことはないけれど、あれはそんなに小さなものではない。一抱えはあるだろう。たぶん一個で六人分を充分まかなえただろうに、十二個だなんて。

米澤穂信の短編集「儚い羊たちの祝宴」より。以前ご紹介した厨娘が、物語のなかで重要なモチーフとして使われています。こちらの小説ではラストにややグロテスクなオチがつくのですが、やはり羊絡みではありますので、お嫌いでなければぜひ。

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ミレー 「岩間で羊の番をする羊飼いの女」

ひつじ話

「岩間で羊の番をする羊飼いの女」

ジャン=フランソワ・ミレーによる、数多い女羊飼いたちの絵をもうひとつ。晩年に描かれた、「岩間で羊の番をする羊飼いの女」です。
ミレーの女羊飼いは、他に、「杖に倚る羊飼いの女」「雁」「小さな羊飼い」「羊飼いの少女」などをご紹介しています。

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グリルパルツァー 「金羊毛皮」

ひつじ話

メデア 〔剣を渡しながら〕では、私の手からお取りなさいまし、いとしい夫!
     そして、あなたと私とをお殺しなさいまし!
     ―私はもう止めは致しません!
ヤーゾン 〔門に向って進んで〕よし!
メデア 待って下さい! 今一つ!
     あなたは即座にお死にになりたいのですか?
     あの羊毛皮は神聖な樹に懸かっていて、
     その鱗のついた皮膚は傷くことがなく、
     その鉄の牙は何物をも貫ぬく、怖ろしい龍に護られているのです。
     あなたはあれに勝つことは出来ません!
ヤーゾン 殺すか、殺されるかだ。

 「世界文学全集 第10巻 独逸古典劇集 新潮社版」 

主人公メデアの「地上の幸福とは何でしょう?―影です。地上の栄誉とは何でしょう?―夢です。」という厭世的な台詞で知られる、フランツ・グリルパルツァーの「金羊毛皮」です。ヤーゾン(イアソン)がメデアをふりきって、金羊毛皮を得るために死地に入ろうとする場面。
金羊毛皮については、オウィディウスの「転身物語」をご参考にどうぞ。他には、絵本「アルゴー号の大航海」ギュスターヴ・モローの「イアソンとメディア」などをご紹介しています。

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「ひつじがすき 日本のひつじ牧場」予約開始

ひつじグッズ, ひつじ画像・映像

一ヶ月ほど前にニュースリリースを紹介しました
  「ひつじがすき 日本のひつじ牧場」(DVD-ROM)ですが
amazonで予約が開始されたようです。
5月28日発売開始予定。

「ひつじがすき 日本のひつじ牧場」(DVD-ROM)

なんか、本の「ひつじがすき」とあまり変わらない値段だったり……。

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ルーベンス 「アンブロジオ・スピノラの肖像」

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「アンブロジオ・スピノラの肖像」 「アンブロジオ・スピノラの肖像」(部分)
ルーベンスの外交活動の一環として生まれた肖像画が他にもある。
(略)
武人で政治家のスピノラもまた常套的手法で描かれている。
片方の手を指揮杖の上に、他の手を剣の柄頭に置き、傍らのテーブルの上に兜が置かれている。
けれども、ルーベンスは、このモデルの気を許さぬ性格と精神の集中力を堂々と描き出している。

プラド美術館の「パリスの審判」ロンドンのナショナル・ギャラリーの「パリスの審判」「聖母子と諸聖人」をご紹介しているピーテル・パウル・ルーベンスによる、当時の名将であるアンブロジオ・スピノラを描いた肖像画。胸元に金羊毛騎士団勲章が輝いています。ヘルツォーク・アントン・ウルリッヒ美術館蔵。

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