各務原市、成田山貞照寺、川上貞奴の墓所。

ひつじ話

岐阜県各務原市にあるお寺さんまで行ってまいりました。
名鉄新鵜沼駅、またはJR鵜沼駅から車で五分、徒歩だと一時間弱の場所にある、成田山貞照寺です。

成田山貞照寺公式HP

日本初の女優として知られる川上貞奴が自らの菩提寺として建立した寺院で、奥まったあたりに墓所があるのですが、なぜかこのお墓を石羊が守っているらしく、これは見に行かねばと。
というわけで、案内板にしたがって本堂の脇を抜けていくと、
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このような場所が。
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そして石羊が二体。貞奴の干支が未であることにちなんだものらしいのですが、なんというか、剛毅です。
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石羊は、ひっそりとあちこちに点在しています。
これまでに、神戸市教育会館京都国立博物館、同じく京都の野仏庵東京国立博物館、やはり東京の根津美術館のものをご紹介しております。
ご縁があれば、ぜひ。

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「甲子夜話三篇」より。

ひつじ話

小鼓観世新九郎が家宝に、羊皮の鼓有り。
伝来を聞くに、台徳公より賜る所と云。
故新九郎(豊綿)語れるは、此鼓、時として不機嫌なること有り。
予問ふ。何をか不機嫌と云。
曰ふ。或とき、宮の御能の日、某脇能を打とき、調れども曾て鳴らず。
為方なく、代鼓を以て其能を打しが、不審晴ずして、御能畢ると楽屋に入て打みるに、其音亮亮として甚好し。
因て知る。此鼓不機嫌なることを。
頃日、当新九郎来る。就て復其ことを問ふに、違はず。
何にも前言の如し。又、此鼓皮黔色、尋常の鼓と異にして、見る所美ならずと。

江戸後期、松浦静山の随筆集「甲子夜話」のなかに、羊の皮の鼓のエピソードがありました。なんだかワガママな鼓ですが、皮の素材が珍しいことに関係があるのでしょうか。

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「誹風柳多留」(続き)

ひつじ話

ひさしふりひつじを喰ふとていし龍   (一〇篇・37)

傘をあら煮のよふに羊喰ひ   (一二二篇・4)
傘を天ぷらの氣て羊喰ひ   (一二六篇・65)

ひさしぶりに、江戸の川柳集「誹風柳多留」を広げてみました。
紙を食うイメージのとそれ以外のとで、二度ほどご紹介しているのですが、改めてもう少し。「ていし龍」というのは「国性爺合戦」の鄭芝龍のことだと思うのですが、どういう状況なんでしょう、これ。

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古代ローマの距骨遊び。

ひつじ話

会食者は食後に飲みはじめる。
「饗宴の王」を選び、「饗宴の王」は、勝手に会食者それぞれが飲むワインの杯数や品質を定めた。
話し好きの人たちが好んだひとときである。
温和な性格の人が「饗宴の王」となると、宵のパーティーでは、歓談や上品な娯楽(距骨遊び、大道芸人の寸劇、フルート奏者の伴奏による歌唱)を楽しむ。
(略)
しかし、「饗宴の王」が酒豪ならば、会食者は熱気に包まれる。
距骨遊びは子供の遊びと考えられていて、賽子─これは法律違反─が要求される。
※距骨遊び─羊、山羊などの距骨または、その模造品を使う、主として子供の遊び。四面に目が記された距骨を四個投げて出た目の合計を競ったり、八個の距骨を空中に投げ、手の甲で受け止めた個数を競ったりなど、種々な遊び方があった。

古代ローマ人の生活を活写した「古代ローマの日常生活」を読んでいたところ、晩餐を描いた場面に、羊の距骨を使った遊びについての説明がありましたので、引用を。
距骨遊び(アストラガロス、アストラガルス)のお話は時々しておりますので、こちらで。

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龍城神社の干支守。

ひつじ春夏秋冬

遅ればせながら、初詣に行ってまいりました。
一年前と同じく、岡崎市の龍城神社です。ご近所でも氏神様でもないんですが、なんとなく好きで。
未年も終わったなぁと感慨にふけりつつ、お猿柄の絵馬などを眺めていましたら、そばにきれいな干支守が。おお、しかもヒツジの絵がかわいい。
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これはもう、お受けしないわけにはいきません。
干支守は、これまでに、愛知県津島市の津島神社名古屋市の熱田神宮、同じく名古屋市の羊神社奈良県桜井市の安倍文殊院のものをご紹介しています。
ご縁があれば、ぜひ。

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木瓜桐文緋羅紗陣羽織

ひつじ話

あけましておめでとうございます。今年もひつじnewsをよろしくお願い申し上げます。
さて、今年初のヒツジ話は、緋色の羅紗の陣羽織です。

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木瓜桐文緋羅紗陣羽織(伝 信長より秀吉拝領)
緋羅紗の地に白羅紗で木瓜紋と桐文とがはめ込んである。

「秀吉と桃山文化 大阪城天守閣名品展」カタログ

羊毛加工品である羅紗の羽織のお話は時々しているのですが、あまり具体例を挙げておりませんでした。この「木瓜桐文緋羅紗陣羽織」などが典型例になるでしょうか。

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