李賀 「神絃曲」
神絃の曲
西山(せいざん)に日は没して東山(とうざん)昏く
旋風は馬を吹いて馬は雲を踏む
画絃素管(がげんそかん) 声浅繁(せんはん)たり
花袴(かくん)は萃蔡(すいさい)として秋塵(しゅうじん)に歩(ほ)す
桂葉(けいよう)は風に刷(はら)われて桂は子(み)を墜(おと)し
青狸(せいり)は血に哭して寒狐死す
古壁の彩蛟(さいきゅう) 金は尾に帖(ちょう)す
雨工は騎(の)りて入(い)る 秋潭(しゅうたん)の水
百年の老梟(ろうきょう)は木魅(ぼくみ)と成り
笑声と碧火(へきか)と巣中(そうちゅう)に起(おこ)る
神楽の歌
西の山に日は落ちて東の山はほの暗く
旋風の吹き起こり神の馬は雲を踏み分けて降り来る
美しき絃と清らなる管の浅く繁く鳴り響き
巫女たちはしゃなしゃなと花の裳を翻して塵の中より現れ出づ
木犀の葉を吹く風に払われてはらはらと黄金の実の落つるとき
青き狸は血を吐きて泣き叫び痩せたる狐は息を引きとる
古壁に絵具もて描ける蛟(みずち)のぴくぴくと金色の尾を動かせば
雨の神はその背に騎りて秋の淵の水底深くそを逐いやりぬ
百年の劫を経し梟は木の精と化けいたりしが
笑い声と碧き火と巣の中に湧き起こる
「唐代伝奇集」や陳舜臣「ものがたり唐代伝奇」などでご紹介し、「龍の文明史」でも触れた、「柳毅伝」に出てくる龍女の飼う羊似の怪雨工ですが、唐代の詩人李賀の「神絃曲」に、龍と一緒に出てくるようです。
動こうとする描かれたみずちが雨工に逐われているらしいのですが、ということは龍より強いんでしょうか。
ところで、話は変わりますが、もりもとさんから明日夜の「日曜ビッグバラエティ」の情報をいただきました。
2011年2月13日夜7時54分から放送
極寒!北の大地に生きる、羊飼い6人家族の365日
北の大地・北海道。人里離れた山中で羊牧場を営む6人の大家族、その1年間のドラマに完全密着!モンゴル帰りの父さんが営む牧場は全て手作り。大自然に向き合う家族とは?
ああ、これは録画しないと。
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