ルーベンス「野良の帰り」の複製版画
ゲーテとエッカーマンはそうした複製版画の限界には頓着せず、ルーベンスその人の作品を目の前にしているかのように彼の芸術について論じている。
写真による機械的な、それゆえ「正確」な複製に慣れてしまった私たちにとって、版画が原画の代わりを務めるというのは馴染みにくい状況だが、実際には、写真製版の技術が確立される19世紀末まで、他のメディアで実現された構想を伝達することは、版画の主要な役割の一つだったのである。「ルーベンスの版画展 ルーベンス工房の版画家たち」カタログ
以前、ルーベンスの「野良の帰り」と、その複製版画を前にしてのルーベンス評であるエッカーマン「ゲーテとの対話」をご紹介したのですが、その際にゲーテとエッカーマンが眺めたであろう版画がこちらです。
これまでのルーベンスについてはこちらで、ゲーテはこちらでどうぞ。
最近のコメント