ヘシオドス 「神統記」

彼女たちなのだ (このわたし)ヘシオドス
以前聖いヘリコン山の麓で 羊らの世話をしていた このわたしに麗わしい歌を教えたもうたのは。
まずはじめに このわたしに語りたもうたのだ つぎの言葉を
神楯もつゼウスの娘 オリュンポスの詩歌女神(ムウサ)たちは。
「野山に暮らす羊飼いたちよ 卑しく哀れなものたちよ 喰(くら)いの腹しかもたぬ者らよ
私たちは たくさんの真実に似た虚偽(いつわり)を話すことができます
けれども 私たちは その気になれば 真実を宣べることもできるのです」

古代ギリシアの詩人ヘシオドス「神統記」冒頭部分を。
同書の解説ページには、

『神統記』のこの告白に明らかなように、羊を飼い畑を耕す若き農民ヘシオドスはここにはじめて詩人としての自己の存在を自覚し、しかも真実を歌う詩人として目覚めることになったのである。

との一文も。

ひつじ話

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