2014年10月23日

●山本幸久 「展覧会いまだ準備中」

「おお、これだ、これ。今田くん」 韮山がスマートフォンの画面を弾吉に向ける。「きみ、これ、どう思う?」
そこには羊が三匹いた。本物ではない。絵だ。それも水墨画らしい。
頭を垂れて草を食む一匹を真ん中にして、左右の羊はつまらなそうにそっぽをむいていた。
背景はなく、真っ白だった。簡素だが、描写はしっかりしていた。
それでいて、ぜんたいにトボケたタッチである。見ているうちに心が和み、自然と口元が緩んでいきそうだ。
「いい絵ですね」 弾吉は率直な感想を口にした。
「おお」 韮山が姿勢を正し、身を乗りだしてきた。 「で、どうだ。価値はありそうかね」

「一匹羊」をご紹介している、山本幸久の小説「展覧会いまだ準備中」です。
下っ端学芸員の主人公が古い絵の鑑定を頼まれるところからはじまる、右往左往と夢と希望。「一匹羊」とこっそり世界がつながってるのも、嬉しいところです。

ひつじnews at 2014年10月23日 20:39 | Category : ひつじ話
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コメント

ご無沙汰しています。
最近、図書館で本を借りてくるのが数少ない楽しみなのですが、最近のお気に入りの一つが、山本幸久さんです。
明日に希望が湧いてくる作品ばかりですよね。
この作品はまだ読んでいないけど、近所の図書館にあったので、次は借りてみようと思います。

来年は羊どしなので、お忙しいのでは?
うちは、娘と小姑が羊どしです。
よろしければ、お正月は近所の神社の絵馬、集めてお送りしましょうか。ご希望の神社とか、ありますか?

Posted by 神戸のあきこです at 2014年10月28日 23:12

たいへんご無沙汰しております!
コメントありがとうございます。
未年、楽しみです。どこのお店に入っても、新年用のグッズが置いてないかときょろきょろしてしまいます。
そうか、絵馬を集めるという楽しみがありますね。気がついていませんでした。甘えてさせていただいてよければ、やはり大きなところで、湊川の楠公さんとか、長田神社とか、……いや、近日中にそちらにお伺いするつもりでおりましたので、いっそご一緒に!(混乱)

Posted by ひつじnews at 2014年10月29日 17:06

メッセージありがとうございます。
いいのがあったら、ゲットしておきますね。
お正月の楽しみが増えました!

Posted by 神戸のあきこ at 2014年10月29日 18:43
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