羊形硯(続き)。

羊形の考古遺物の確実な例としては、八世紀の奈良県平城京跡や三重県斎宮跡などから見つかった硯がある。
現在その出土数は10例に満たないほど少ない。
この頃の硯は焼き物で、多くは円形をした円面硯だが、ごく少量羊形や鳥形といった形象硯(けいしょうけん)が存在する。
羊形硯(ようけいけん)は円を描くように湾曲する二本の大きな角が特徴的で、四肢を折って座り込んだ羊の背中が硯になっている。
羊の頸の後ろ、硯の海にあたる部分に墨の痕が残っている例もあり、珍しく貴重なものではあるが実際に使うこともあったようである。

時々お話している羊形の硯について、「十二支になった 動物たちの考古学」に解説がありました。ちゃんと実用品だったんですね。

ひつじ話

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