アポロドーロス「ギリシア神話」の金毛の羊

アタマースはデルポイに使者を送ってこの不作から遁れる方法を問うた。
イーノーは使者に、もしもプリクソスをゼウスに犠牲にすれば不作はやむであろうと神託があったと言うようにと説き伏せた。
これを聞いてアタマースは土地の住民に強制されてプリクソスを祭壇に連れて行ったが、ネペレーは娘とともに彼を奪って、ヘルメースから授かった金毛の羊を彼らに与え、彼らは羊の背にのって空中を飛んで地を横ぎり海を渡った。
シーゲイオンとケロネーソスとの間にある海の上に来た時に、ヘレーは深海に滑り落ちて、そこで溺れ死んだので、その海は彼女の名をとってヘレースポントスと呼ばれた。
しかしプリクソスはコルキス人の地に来た。
太陽神とペルセーイスの子アイエーテースが彼らの王であった。
彼はまたキルケーと、ミーノースが妻としたパーシパエーの兄弟である。
彼はプリクソスを客とし、娘の中の一人カルキオペーを与えた。
そしてプリクソスは金毛の羊を厄除けの神としてのゼウスに捧げ、その皮をアイエーテースに与えた。
アイエーテースは皮をアレースの杜の中にある樫の木に打ちつけた。

金羊毛騎士団勲章をつけた人々の肖像画をさんざんご紹介しているわりに、当の金毛の羊がどこから現れたのかについては、オウィディウスの「転身物語」で触れた程度になってしまっておりました。ので、アポロドーロスの「ギリシア神話」であらためて。

ひつじ話

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