南三陸ワカメで育つ希少なラム肉。

ミネラル豊富な飼料「ウメェ?」 南三陸ワカメ ヒツジ育てる
川崎市の社団法人が発案して、宮城県南三陸町のワカメを混ぜた飼料でヒツジを育てる取り組みが始まった。ワカメの豊富なミネラル分がヒツジを丈夫にし、肉をおいしくするという。
東日本大震災の復興途上にある町の名産にと夢が膨らむ。
「ヒツジは塩分が好きらしく、飼料の中からワカメを探して食べていますよ」。
発案した一般社団法人「さとうみファーム」代表理事の金藤克也さん(47)=川崎市宮前区=は、手応え十分といった顔だ。
収穫量が約千九百トン(二〇〇七年)と、宮城県で最もワカメが採れる南三陸町。
金藤さんは震災後、町でボランティアに参加する中で、売り出さずに捨てるワカメの芯が、活動拠点の寄木地区だけで年百トンに上ることを知った。
震災の津波で、町のワカメ養殖設備は流され、水揚げは一時ほぼゼロに。収穫量は今年ようやく震災前に戻った。
金藤さんは、塩分など天然ミネラルを多く含む草で育つオーストラリアのヒツジの肉は、高級ラムになるという話を仲間から聞き、芯の活用を思いついた。
ワカメ漁師の協力を得てワカメの芯一トンを収集。天日干しで乾燥させた芯を五ミリ角程度に切り10%混ぜた特製飼料を製造した。
六月から宮城県大郷町の牧場で一歳三カ月のヒツジ二匹に与える飼育実験をスタートさせた。
科学技術振興機構が補助金を出し、被災地復興を支援する研究にも採択された。
研究代表で、飼料作りや投与法をアドバイスする宮城大の大竹秀男教授(草地学)は「豊富なミネラルと、健康に良いとされるぬめり成分が相乗的に働き、肉質を高めると期待している」と話す。
研究では、採血して免疫力を調べ、肉の試食や検査でミネラル分がどの程度移るかなどをチェックする。
ワカメで育てたヒツジを科学的に調べつつ、商品化する例は過去にないという。
八月からは、今春生まれたヒツジ十三匹に、ワカメを乾燥させずに細断した飼料を与え、年内に「南三(なんさん)ラム」として初出荷する予定だ。
金藤さんのところには既に、東京都内の羊料理専門店などから引き合いが来ており、「国内産ラムの希少価値に加え、南三陸ワカメの知名度も生かし、ブランド化できれば」と意気込む。

ak様から、国内産羊肉に関するニュースを教えていただきました。ありがとうございます。
ミネラル豊富な草で育つ羊というと、モンサンミッシェルのものがたいへんな美味だと聞きますが、日本でも負けないものが食べられるようになるのかもしれません。楽しみです。


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