『皇帝の閑暇』より、「「貞潔羊」と呼ばれる樹」

「貞潔羊」と呼ばれる樹がございます。
もし眠り人の頭の下に、その枝を一本敷けば、眠っているあいだ中、幽霊の幻を夢見ることはないでありましょう。
ですから伝承によりますと、アブラハムが祭壇を建てたモリア山で、犠牲に供された獣たちの皮にくるまって眠っていたレベッカが、双生児が彼女の胎内でたがいにぶつかりあっていると主に相談したときに頭の下に敷いたのは、この樹の一本の枝であるということです。

12、3世紀のヨーロッパ、ティルベリのゲルウァシウスによって蒐集・編纂された驚異譚集、「皇帝の閑暇」から。
なにがどう貞潔で羊なのかわかりません。わかりませんが、なにかこう。
レベッカというのは、創世記に出てくるエサウとヤコブの母リベカのことですね。聖書の該当部分を下に。

主はその願いを聞かれ、妻リベカはみごもった。
ところがその子らが胎内で押し合ったので、リベカは言った、
「こんなことでは、わたしはどうなるでしょう」。
彼女は行って主に尋ねた。

 旧約聖書 創世記第二十五章 

ひつじ話

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