ウィリアム・ハドソン 「はるかな国 とおい昔」

近隣で一番重だった牧農屋敷の一つと言えば、とにかく私たちにとっては、カサ・アンティグアでした。
(略)
羊の乳で、ひとつチーズを造ってみようか、それこそ、どんな値でもつけられる上等品ができるだろう。
これも、ロイドさんの得意な考えの一つでした。
で、彼は非常な困難と闘いながら、羊乳チーズを造り始めたのです。
乳を搾らせるように、羊をならさねばならず、それにまた、何代も何代も乳を搾られて、自然、乳房も大きくなっているために、乳も取りやすいフランスその他の国々の、ある地方の羊に比べると、ここのはほんのちょっぴりしか、乳をだしませんでしたから。
一番悪いことには、土地生れの彼の使用人たちは、羊のような生き物の乳を搾るなど、そんな卑しいことをしては、人間ももうおしまいだと考えていました。

「ラ・プラタの博物学者」に続いて、ウィリアム・ハドソンをもう一冊。ハドソンが少年期を過ごした土地での、親しみ深い隣人の思い出が語られる、「一番近い英国出の隣人」の章の一節です。

ひつじ話

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