ロシア民話 「姉アリョーヌシカと弟イワーヌシカ」

アリョーヌシカがイワーヌシカの名を呼ぶと、イワーヌシカのかわりに白い子羊が姉のあとから駆けてきた。
アリョーヌシカはわけを察してさめざめと涙を流し、干草の山のかげにすわって泣いていたが、子羊はそのわきの草の上を跳ねまわっていた。
ちょうどそこへ一人の貴族が馬車で通りかかり、馬を止めてたずねた。
「美しい娘さん、どうして泣いているのかね」
アリョーヌシカがわが身の不幸を話して聞かせると、貴族は言った。
「わたしについてきなさい。おまえに美しい衣装を着せて銀のかざりもつけてあげよう。子羊もけっして見捨てはしないから。おまえが行くところどこへでも連れていくがいい」

アレクサンドル・アファナーシェフのロシア民話集から、「姉アリョーヌシカと弟イワーヌシカ」を。
子羊の姿に変えられた弟を連れて貴族の奥方になった姉は、彼女に化けた魔女によって水に沈められてしまいます。残された弟の子羊も魔女に食べられそうになるのですが……?
アファナーシェフの民話は、これまでにいくつかご紹介しています。こちらでぜひ。

ひつじ話

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