饅頭起源説話

次に「曼頭」(饅頭)は後世まで盛行して、我が国にも製法が輸入されているので、その形状品質は周知の通りであるが、その原始的なる物は中の餡に獣肉を用いたのである。
これに関して宋の高承の『事物起源』巻九に奇怪なる起源説が語られている。
即ち蜀の諸葛孔明が孟獲を征した時、人の勧めにより蛮神を祭って加護を祈ったが、蛮俗では人を殺してその首を供える風習であったのを、孔明は羊と豚の肉を麺に包んで人頭に象ったものを作ってこれに代えた、饅頭はこれから始まったのだという。
更に明の郎瑛の『七修類稿』巻四十一には、最初これを「蛮頭」といったが、後に訛って「饅頭」としたのだと補足している。
しかしこれはむしろその反対に、「曼」と「蛮」と字音が相通ずるところから、右のような奇怪な縁起説が起ったのであろう。

三国志演義などで饅頭の起源説話をご存知のかたも多くいらっしゃると思うのですが、青木正児の「華国風味」を読んでおりましたら、この説話が奇怪呼ばわりされてました。いや奇怪ですけども、たしかに。
青木正児の著書は、「随園食単」訳注「中華飲酒詩選」などをご紹介しています。

ひつじ話

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