ハンガリー民話 「グリフィン」

「さあ王子、家へお連れしよう。わたしの背に乗るがよい。でも家に着くまで、あの小さな本を開けてはいけない。よいかな?」
「わかった」と王子が言った。
二人は早速出発した。
王子の国の近くまで来た時、その本はなんなのだろうという好奇心に打ち克てず、グリフィンが気づかないように、そっとポケットから出して開けた。
なんと不思議なことに、本が開くや、中から金色の毛の駿馬、羊、子羊が数百頭も出てきた。
数えられないほど、その小さな本から飛び出した。
それも一頭はこちらへ、もう一頭はあちらへと、ばらばらに飛んで行った。

ハンガリー民話集から。
翼をいためたグリフィンを助けた王子は、小さな本を与えられます。好奇心に負けて帰るまでに開いてしまった、その本に詰まっていたものは。

ひつじ話

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