スペイン移牧祭りの由来

中世カスティーリャ王国の主要輸出品目であった羊毛は、新鮮で良質な牧草を求めてカスティーリャ王国を長距離移動する牧羊業者によって生産された。
こうした移動性牧羊業が本格化するのは、レコンキスタ運動によりエストレマドゥーラ地方(スペイン中西部)とアンダルシーア地方(スペイン南部)の放牧地が確保された十三世紀後半以降である。
1273年にアルフォンソ10世が長距離移牧業者の全国組織メスタ(移動性牧羊業者組合)を認可ないし追認し、長距離移牧に関する特権や裁判権を付与したことは、移動性牧羊業の発展を裏づけるものであろう。
(略)
通常、牧羊群は夏期放牧地で焼き印と交配を済ませた後、九月に新鮮な牧草を求めて北部スペインを出発した。
20―30日かけて400―1000キロメートル離れた、スペイン中部や南部の冬季放牧地に到着し、そこで新鮮な牧草を与えながら子羊を出産させ、翌年の四月に北部スペインへ戻る。
その途中で剪毛するというのが、通常の移動サイクルであった。

以前、マドリードの街中を行進する羊たちのニュースをご紹介したことがあるのですが、その由来について調べてみました。ほんとに八百年来の伝統なのですね。

ひつじ話

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