「中世の秋」より「騎士団と騎士誓約」

テンプル騎士団やヨハネス騎士団が、なお聖地にあって、盛んに活動していたあいだは、騎士道も現実に政治的機能を果たしていたし、騎士団は、いわば身分団体として、重要な意義をもっていた。
ところが、十四、五世紀になると、騎士道は高級な生活形式であるにすぎなくなり、それに応じて、新しい騎士団にあっては、それまで内奥に隠されていた高貴な遊びの要素が、ふたたび前景に押しだされてくることになったのである。
(略)
フィリップ善良侯の誇りにかけて、金羊毛騎士団をして第一級の騎士団たらしめんとするには、そのかかげる目的を、いやがうえにも高く強調しなければならなかった。
それというのも、十四世紀のなかば以後、騎士団の設立は、まさに流行となっていたからである。
君侯たるもの、騎士団をもたざるをえず、大貴族たるもの、また、これに劣らじときそってならう、というありさまであった。
(略)
なぜ、金羊毛騎士団の威勢がだんぜん他を圧したのか。
たずねるまでもない、背後にブルゴーニュの金力があったからである。
思うに、この騎士団を飾った、ひときわめだつ豪華さや、たまたまうまいシンボルをみつけたということも、また、これにあずかって力があったのである。

神の子羊(スキティアの子羊)の話をご紹介したホイジンガ「中世の秋」より、「騎士団と騎士誓約」の章から、金羊毛騎士団に関するあれこれを。
「うまいシンボル」である金羊毛騎士団勲章については、先日来シリーズ化しつつありますので、こちらでまとめてぜひ。シンボルの由来については、オウィディウスの「転身物語」をご覧下さい。

ひつじ話

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