ティツィアーノ 「ミュールベルクのカール5世」

「ミュールベルクのカール5世」 「ミュールベルクのカール5世」(部分)
1547年4月にカール5世はミュールベルクの戦いにおいて新教徒同盟軍を打ち負かした。
この戦勝の記念画を制作するためティツィアーノはヴェネツィアからアルプスを越えて帝国議会のあるアウグスブルクに赴き、1548年4月から9月にかけて完成した。
(略)
古代から騎馬像はヨーロッパの伝統的なモティーフであるが、縦3メートルを越すこの大作は、ベラスケスなど後世の画家に大きな影響を与えた。

面頬付き兜には華やかな赤い房が躍り、甲冑は光り輝く。右手に握る長槍は竜退治の聖ゲオルギウスを髣髴とさせ、胸元に下げているのは金羊毛騎士団(異端からカトリックを守るため結成された)の勲章である。
ミュールベルクの戦いが聖戦だったこと、皇帝が勝利したこと、だがなおまだ戦いは終わっていないことが暗示されている。

ティツィアーノのカール5世を、こちらは騎馬像でもう一度。
ティツィアーノの肖像画は、他に、フェリペ2世を描いたものをご紹介しています。

ひつじ話

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