テオクリトス 「牧歌」

エイデュリア 第一歌 テュルシス
テュルシス
甘くささやく松の木は、あそこの泉のほとり。
山羊飼よ、君の葦笛も甘くひびく。
君ならパーンの次に賞をもらえるだろう。
パーンが角生えた牡山羊をもらうなら、君には牝山羊。
神が牡山羊の賞を受けるなら、君には牝山羊だが、
乳をしぼる前の仔山羊の肉はうまい。
山羊飼
羊飼よ、君の歌は、あそこの岩の高みから
流れ落ちる水音よりも甘い。
ムーサイに羊が贈られるなら
君は仔羊を賞にもらう。ムーサイが
仔羊を好むなら、君は羊を連れてゆく。
テュルシス
山羊飼よ、ニンフたちにかけて、お願いだ。
あの岡のギョリュウの茂みに座って笛を聞かせてくれないかい。
そのあいだ、君の羊のめんどうはぼくがみる。

デューラーの細密画をご紹介したときに触れた、テオクリトスの「牧歌」です。
牧歌一般については、ウェルギリウス「牧歌」スペンサー「羊飼の暦」をご紹介しています。
さらに、イェイツ「幸せな羊飼いのうた」、シェイクスピアの「冬物語」「お気に召すまま」「ダフニスとクロエー」なども関連してくるかと。

ひつじ話

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