中国四千年料理ショー(元) 『羊ノ肺ハ見ル、草原ノ夢』


連心羊肺一具
(心臓のついた羊の肺1個)
「まずは、羊の肺を用意してください」
(中略)
「……元の料理書には、どう血抜きをしろって書いてあるの?」
「気管に口を付けて、血をよーく吸い出せ、やて」

昨日ご紹介した『中国の食譜』には、「山家清供」とともに「居家必用事類全集(きょかひつようじるいぜんしゅう) 飲食類」という元代の料理書も収録されています。こちらについてもお話しようとあれこれ調べていましたら、材料の準備段階で視聴者の九割九分をおきざりにする料理番組「中国四千年料理ショー」にぶつかってしまいました。NHKおそるべし。
せっかくなので、番組のネタ元である「居家必用事類全集 飲食類」の「河西肺」の記事も下に。

河西肺(河西の肺詰)
心臓ごと羊の肺一具を〔水に〕浸してきれいに〔血抜き〕する。
豆粉四両を肉だしの汁でとき、こむぎこ四両を韮汁でとき、これを密三両、酥半斤、松仁(まつのみ)およびあま皮を去った胡桃仁(くるみのみ)十両を細かに擂って滓を濾し去ったものと合わせて攪拌し、その肺いっぱいに詰めて鍋で煮る。
煮えたら大盤(おおざら)に盛ってそのまま宴席に運び、面前で切ってさらに取り分け、肺に詰めきれなかった残りの汁に麻泥(胡麻を搗いて泥状にしたもの)を加えて煮た汁をかける。
これは賜宴のときに作られる。

ひつじ食

Posted by


PAGE TOP