今昔物語集 「京兆の潘果、羊の舌を抜きて現報を得る語」

家に帰る間、潘果(はんか)、見れば一の羊、牧人の為に遺さ被て(のこされて)独り草を食して立てり。
(略)
潘果、羊の音(こえ)を人の聞かむ事を懼れて、忽(たちまち)に其の羊の舌を抜き捨てつ。
然れば羊、音無くして家に帰りぬ。夜に至りて此を殺して煮て食しつ。
其の後、一年を経て、潘果が舌、漸くかけ落ちて遂に消え失せぬ。
然れば潘果、陳牒して職を罷る。

「震旦韋慶植、殺女子成羊泣悲語」をご紹介したことのある、今昔物語集巻九より第廿三話、「京兆の潘果、羊の舌を抜きて現報を得る語(ものがたり)」です。
羊を盗み、鳴かないように舌を抜いて、食う、という三重の罪を犯した若者に下りた報いは、自分の舌を失うことでした。さて、罪を悔いた潘果はどうしたか?
先日お話した「羊炙(ひつじのしゃ)」と似た、因果応報談ですね。

ひつじ話

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