イェイツ 「幸せな羊飼いのうた」

     幸せな羊飼いのうた
アルカディの森は死に絶えた
往にし日の森の愉悦はすでにない
(略)
わしも消えねばならぬ 黄すいせん
ゆり花の咲きゆらぐあたりに墓がある
ねむたげな大地の下に埋もれたままの
不運な野神フォーンを陽気なうたで
夜の明けぬ間を楽しませてやりたい
※注(訳者)
ギリシア・ローマ時代から、チョーサーやスペンサーなどを通して受けつがれてきた牧歌詩の伝統も、いまやアルカディの森や夢とともに失われんとする時代の潮にたいして、イェイツの審美的理念が表明される。

W・B・イェイツの詩集「十字路」より、「幸せな羊飼いのうた」です。
訳注の中にある牧歌詩の伝統については、スペンサー「羊飼の暦」ウェルギリウス「牧歌」をご紹介しています。
あと、この詩は、「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」の献辞にも使われてますね。

ひつじ話

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