特別な存在の「羊」 中国・カシュガル
郊外のドレットバッグ村の広場。毎週日曜日の早朝に開かれる動物市をめざし、周囲の村々から牛やロバ、ヤギ、ラクダがトラックの荷台に載せられてやってくる。圧倒的に多いのは羊だ。
1000頭を超える羊はそれぞれの首をロープで結ばれ、うなだれている。売り手は羊を美しく見せるため、毛をはさみで刈る。値段はその場の交渉で決まる。
ウイグル族にとって、羊は特別な動物だ。肉は串焼き、肉まんのあん、ラーメンの具などに使われ、牛肉よりも貴重とされる。市場では1頭3000円程度で売買される。辺境の地でも経済発展の影響で肉食が進む。羊の生産量が増えて最近は値下がり気味だ。
この日、農家の男性(24)は生後8?10カ月の48頭を売りに来た。前の週に周囲の農家から買い集め、日曜日に市で売る。「貧しい農民にとって急にお金が必要なときに売れる大事な家畜なんだ」と説明した。
貴重な肉を、肉まんやラーメンに……。
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