マンクスロフタン(つづき)

マンクスロフタン
過去四千年の間、このマン島にはピクト人(ケルト人)、バイキングの人たちといろいろな民族が移住してきました。羊も同様です。
新石器時代の遺跡から発掘された羊の毛は、今のマンクス・ロフタンより、アイスランドに現在もいるアイルランド・シープによく似ているということですが、千年昔のバイキングの墓から発掘された紡毛のマントの断片は、現在のマンクス・ロフタンの先祖のものに間違いないといわれています。そして、その羊はバイキングの羊、シェトランド・シープと大変似ていること、ちょうど千年ほど前にマン島がバイキングの支配下にあったことなどから、いまのマンクス・ロフタンはバイキングの羊だと考えられています。
ロフタンという言葉も「小さな、愛らしい茶色い奴」というバイキングの言葉です。今でこそ、餌を与えられ成長したオスは体重が四十キロもありますが、それでもサフォークなどと比べると半分の重さです。昔は、島の貧しい丘の上で、限られた餌で飼育されていたため三歳の羊で平均九キロ、最高で十四キロしかありませんでした。十九世紀の初めには、もっとも小さな羊の一つだといわれていたのです。


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