『捜神後記』より 「羊炙(ひつじのしゃ)」

そのとき一人の僧が座にいた。世俗の修行僧である。
主人が一頭の羊を殺そうとすると、羊は縄を断ち切ってすぐさま逃げ出した。
身を投げ出してこの僧の膝の中に入り、頭の先を袈裟の下に突っ込んだ。
道人には救うことができなかった。
(略)
道人は焼き肉を飲み込んだが、焼き肉が皮の中を通っていくのを感じた。
ひどく痛んで我慢できない程だった。
(略)
そうして僧は病になり、とうとう羊の鳴き声をあげ、泡をふいた。
寺に帰り、暫くして亡くなった。

「幽霊を売った男」などをご紹介したことのある捜神記には、後編と呼ぶべき「捜神後記」が存在します。
この「捜神後記」から、「羊炙(ひつじのしゃ)」を。自分に助けを求めた羊を食ってしまった僧の身に起こった不幸とは。

ひつじ話

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