ミレーと羊飼いテーマ

バルビゾンは、彼の故郷の人々よりも、もっと力強い、特徴的人物―羊飼い―をミレーにもたらした。
羊飼いは、田畑の耕作や他の働きをする農家の人々とは異なり、得体のしれない、神秘的な存在である。彼は一人で暮らし、番犬と羊以外に友もいない。サン=マルタンの復活祭の時には、車輪のついたあばら屋に入り、羊たちの番をして星空の下で眠り込む。冬には、少しでも多くの牧草を見つけるため、じめじめした湿地にも入って行く。春になると、子羊を産もうとしている牝羊を助け、産まれた子羊の面倒をみる。彼は羊の群れの案内人であり、友人であり、そして医者でもある。その上、さらに注意深い自然の観察者である。彼は星の運行を調べ、天空を探り、時刻を当てる。大気の全生命と日常的に慣れ親しんでいる。
この隠者にも似た羊飼いが、ミレーの興味をひいた。

「夕暮れに羊を連れ帰る羊飼い」「羊飼いの少女」などをご紹介した、ジャン=フランソワ・ミレーの伝記から、ミレーと「羊飼い」テーマとの関わりについて。「カルパチアの城」といい、「星」といい、19世紀フランスの羊飼いイメージは、なんだか奥が深そうです。

ひつじ話

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