プロカッチーニ 「聖家族、洗礼者ヨハネと天使」

ひつじ話

「聖家族、洗礼者ヨハネと天使」

「エルミタージュ美術館展 イタリア ルネサンス・バロック絵画」カタログ

17世紀イタリアのジュリオ・チェーザレ・プロカッチーニによる、「聖家族、洗礼者ヨハネと天使」です。
羊を連れた洗礼者ヨハネは、すでにかなりご紹介しておりますので、こちらでまとめてどうぞ。

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「バラガンサン物語」より「種羊難産」

ひつじ話

王さまは部下に種羊を残らずより分けさせると、バラガンサンを呼んで来させて命じた。
「おまえは今からこれらの羊を山へ連れて行って放牧せい。こいつらが仔を生んだら、親子の羊を連れて帰って来い。だがこいつらが仔を生まぬうちは帰って来てはならんぞ」
(略)
「すみません、王さま」
バラガンサンがいかにも心痛の面持ちで答えた。「たった一人で帰って来ました」
「何だと」王さまはバラガンサンが手ぶらで帰って来たと聞くと、内心「今度こそバラガンサンが不運な目に遭う番だ」とほくそ笑んで、声を張り上げて問うた。
「羊群が仔を生まぬのに、下山したからには、罰は承知だな?」
「ハイ、王さま」バラガンサンが答えた。
「あっしの運が悪かったのか、王さまにつきがなかったのか、あっしにもわかりませんが、春になって、王さまがあっしに渡された羊どもが仔を生もうとしましたところ、どいつもこいつも難産で、結局親子ともみんな死んじまいました」

モンゴルの伝説的人物バラガンサンの滑稽譚から。そうか、蘇武もこうすれば良かったのか(無理です)。
トリックスターつながりということで、「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」もご参考にどうぞ。

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「きたない羊飼い」

ひつじ話

「きたない羊飼い」挿画
そんなある日、ひとけのないところで羊の番をしていた姫は、急にむかしのごうかな衣装を着てみたくなった。
城を出るときまとめた荷物をいつも持ちあるいていたので、小川で手や顔の泥をきれいに落とすと、さっとぼろ着をぬぎすてて、あっというまにみごとな貴婦人に早変わりした。
このとき、たまたま猟に来ていて道にまよった王子が、遠くからこの美しいおとめのすがたを目にして、もっと近くでじっくり見たいものだと考えた。

「ふしぎな羊」に続いて、アンドルー・ラングの世界童話集から。やはり父王に城を追い出された王女のお話ですが、こちらのお姫様はぼろ着をまとって羊飼いになり、糊口をしのぐ行動力の持ち主。…………「毛皮娘」にはさすがに勝てませんが。

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温暖化でヒツジが小型化?

ひつじ事件

セントキルダ列島にすむソーイヒツジ
英北部スコットランドの島に生息する野生のヒツジが二十数年来小型化しており、地球温暖化の影響だとする研究結果を、英ロンドン大インペリアルカレッジなどのチームが2日付の米科学誌「サイエンス」(電子版)に発表した。
チームによると、セントキルダ列島にすむソーイヒツジは詳しい調査の始まった1986年と比べ、体重や脚の長さの平均値が約5%小さくなったことが2007年に報告され、原因は謎とされてきた。
個々の成育歴や自然環境を詳しく分析したところ、温暖化で冬が短く、寒さも和らいだため、以前なら生後1年までに死んでしまう成長の遅い小さなヒツジも生き残るようになり、群れの中で小さなヒツジが増えたことが分かった。
さらに、母ヒツジの低年齢化が進行、それに伴って小さなヒツジが生まれる現象が起きていることも分かった。

本日付の産経ニュース科学欄に羊の記事が、とのタレコミを、ak様とカーター卿さんのお二方からいただいてしまいました。いつもありがとうございます。
野生としてのソーイ(ソーエイ)羊は、世界遺産の島にすむ稀少種です。「羊の博物誌」に解説がありましたので、下に。

ソーエイ・シープは、英国で最初に家畜化された羊として知られています。
おそらく紀元前四千五百年から五千年、石器時代にヨーロッパ大陸から遊牧の民と一緒に渡って来たのだといわれています。
(略)
ローマ人も英国に侵入するとき、彼らの羊を連れてやってきました。
その羊は英国に従来からいた羊とあまりにもかけ離れた色の白い大きな羊だったのです。
その羊を茶色い羊と掛け合わせながら、南から北へ北へと進むうち、従来の茶色い羊は知らぬ間に、いつのまにか英国本島から姿を消してしまい、そのうち、人々からもその存在さえ忘れられてしまったのです。

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