リーベラーリス 『メタモルフォーシス』より、「ヘーロポス」

エウグノートスの子エウメーロスはボイオーティアー地方のテーバイに住んでいた。
彼にはボトレースという名の息子がいた。
このエウメーロスはアポローン神を大いに崇拝していた。
ある時、彼がアポローンに犠牲を捧げていると、息子ボトレースがそばにやってきて、羊を祭壇に捧げる前に、その脳みそを食べてしまった。
このことを知ってエウメーロスは憤り、祭壇から松明を取り、息子の頭をこれで打ちたたいた。
子供は血を流して倒れ、身体は死に瀕して痙攣していた。
母親はこれを見て、父親エウメーロスや召し使い共々、大きな悲しみに打たれた。
アポローンは憐れんで、というのもエウメーロスがアポローンを崇拝していたからであったが、子供をハチクイドリに変えた。
この鳥は今もなお、地中に卵を産み、常にせわしなく飛びまわっているのである。

2?3世紀のローマにいたと思われるアントーニーヌス・リーベラーリスの変身物語集から、「ヘーロポス(ハチクイドリ)」の章を。
同じ変身物語集ながら、オウィディウスのほうはこれまでに何度かお話をしておりますので、まとめてこちらで。

ひつじ話

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