「アンドロイドの夢の羊」

「残念だがそれほど単純な話ではないのだよ、長官」
ナーフ=ウィン=ゲタグは身を乗りだし、ブリーフケースからタブレット端末を取り出すと、それをヘファーのデスクに置いた。
「どんな羊でもいいわけではない。ある特定の品種、それもきわめて希有な品種の羊でなければならない。実をいうと、アウフ=ゲタグ氏族が権力の座についたときに特別に開発された品種なのだ─毛の色にきわだった特徴がある」
ヘファーは手をのばしてタブレット端末を受け取った。
エレクトリックブルーの毛におおわれた一頭の羊の写真が表示されていた。
「〈アンドロイドの夢〉と呼ばれる品種だ」

ジョン・スコルジーの小説です。あとがきに「フィリップ・K・ディックが墓のなかで嘆いていなければいいのだが。」とかありましたが、なんというか、バカSFです。でも、ディックへのオマージュとして読むことは充分可能。
トカゲ似のエイリアンとの外交交渉のために希少な羊を探すことになった、戦争の英雄にして凄腕ハッカーの主人公。見つかった羊の正体がまた、色々とこう。

ひつじ話

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