ポラジンスカ 「白いひつじ」

そのひつじは、ほかのひつじたちと、どこかちがっていました。
まるで雪をふりかけたように、まっ白で美しいそのひつじは、いつも先頭にたって、むれをみちびいていました。
そしてヤーネクがふえをふきはじめると、どんなにとおくはなれていても、ヤーネクのそばへかけよって、じっとふえの音にききいるのでした。
ヤーネクも、その白いひつじがかわいくてたまりませんでした。
白いひつじがいるので、みなしごのくらしも、まえのようにつらくはありませんでした。

ヤニーナ・ポラジンスカ文、ミーハウ・ブィリーナ絵、内田莉莎子訳のポーランド民話集『千びきのうさぎと牧童』より、「白いひつじ」です。
やとわれ羊飼いのヤーネクと美しい白いひつじは、しあわせな日々を過ごしていました。しかしある日牧場主が、子羊を産まない役立たずの白いひつじを処分しようと言い出して……。

ひつじ話

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