「朝びらき丸 東の海へ」

よくよくそばによって見ると、なんとそれは一ぴきの子ヒツジでした。
「さあ、朝ごはんをおあがりなさい。」とその子ヒツジが、やさしいやわらかい声でいいました。
その時三人がはじめて気がついたのですが、草地の上に焚火があり、それで魚をやいていたのです。
三人はそこにすわって、魚を食べましたが、いく日ぶりかで、はじめておなかがすいてきたのでした。
そしてそれはいままでに食べたことがないほどにおいしい味でした。
「子ヒツジさん、教えてくださいな。」とルーシィがたずねました。
「ここは、アスランの国へいく道ですか?」

C・S・ルイス『ナルニア国物語』より、「朝びらき丸 東の海へ」を。
物語の終わり近く、冒険の旅を乗り越えた少年少女たちを出迎えたものは、子羊の姿をとったアスランでした。偉大なライオンとして人々の前に現れ続けてきたアスランの正体が暗示される場面です。

ひつじ話

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