ジューンガル部と康煕帝

ガルダン軍の捕捉と撃滅という、この大作戦は、完全な失敗に終わったかに見えた。
失望した康煕帝は、めずらしく感情を吐露した、次のような手紙を皇太子に書いた。
(略)
私の居るここには羊の肉よりほかには何もない。(略)
皇太子は内務府の有能な役人一人、男の児一人を出して、駅馬に乗らせて、肥えた鵞鳥、鶏、豚、仔豚を三台の車で上都の牧場まで持って来させよ。
(略)
康煕帝はこのあとに漢文で「真に是れ陰山の背後」と書き加えているが、中国の俗語では「陰山背後」とは幽冥界のことである。
皇帝がこの時、いかに絶望的な気持ちであったかを表している。

ずいぶん以前に、カスティリオーネらが描くところの「準回両部平定得勝図」をご紹介したことがあるのですが、そちらにつけくわえてもう少し。
乾隆帝の戦いの記録であるこの図からさらに半世紀以上をさかのぼった、康煕帝のジューンガル部(準部)親征時に書かれた手紙です。

ひつじ話

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