ゲーテ 『西東詩集』より「避けられぬ」

避けられぬ
だれが鳥に命じられよう
動かず 野辺にいるようにと
だれが羊に禁じられよう
毛を刈るときに もがくなと
ちぢれ毛がもしゃもしゃ生えていたら
わたしはぶざまな姿なのだろうか いや
わたしの毛をむしり取る刈手こそ
わたしにぶざまを強いるのだ
だれが制しられよう わたしが空にむかって
こころのままに歌うのを
あの女がどんなに愛してくれたか
雲たちに打ち明けるのを

ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ「西東詩集」より。

ひつじ話

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