エンデュミオンの神話

エンデュミオーンは美青年で、ラトモス山の上で羊飼いをしていた。
ある静かな、晴れ渡った夜のことである。
月の女神アルテミスが下界を見下ろしていると、この美青年が眠っている姿が見えたのである。
すると、そのずばぬけた美しさに処女神の冷めた心も暖められてしまい、彼のいる下界に降りて、彼に口づけをし、眠っている間、そこで見守っていたのだった。
別の伝説によると、ゼウスが永遠の若さに永遠の眠りを結び合わせて、この青年に贈ったともいわれている。
こうした贈り物を授けられた人物に関して、特に記録されているような冒険譚もないのである。
伝えられるところによると、この美青年が眠っている間に、その資産が盗み取られることがないように、アルテミスが気を配ってやったという。
というのは、女神が彼の家畜の群れを増やし、羊や子羊たちを野獣から保護してやったからである。

先日ご紹介したフラゴナール「ディアナとエンデュミオン」の由来となったギリシア神話を、トマス・ブルフィンチの「ギリシア神話と英雄伝説」から引いてみました。
羊飼いが眠っているあいだ、羊の世話は月の女神がしているようです。

ひつじ話

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