ヴェルレーヌ 「知恵」

生け垣はむっくりした群羊の長い列、
やわらかに、どこまでも。
青いスグリの実の匂う
霞の奥には明るい海。
若草のみどりの上に爽やかに
遠見の木立、水車小屋、
ころげまわって戯れる
身軽な仔馬の群れもいる。
今日、駘蕩の日曜日、
よく肥えた仔羊たちも遊んでる
あくまでやさしく
まっ白く。
さきがた鐘が鳴っていた、
笛の音ほども澄んだ音を
ミルクのようにおだやかな
空いっぱいにみなぎらせ。

ヴェルレーヌの詩集「知恵」(堀口大学訳)から。

ひつじ話

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