小川一水 「天冥の標〈2〉―救世群」

「じゃあ、これで」
ロボットが退場し、今度はふかふかした毛皮に覆われた動物が現れた。華奈子は微笑んだ。
「すてきよ。その格好なら可愛がってあげるわ」
「ありがとう。これからもよろしく」
螺旋型の角を持つ羊が、ぺこりと頭を下げた。
ポッドのはしで赤ランプが点滅し始めた。
「ああ、バッテリーが切れそう。あなた、すごい電気食うわね。ひとまず切り上げてもらえるかしら」
「わかった、退避するよ。じゃあ、また」
「またね」
羊が消えると、華奈子はポッドの電源を落とした。

小川一水の「メニー・メニー・シープ」、続刊が出てます。もう、続きが気になって気になって。
裏表紙には、「すべての発端を描く」という惹句。前巻から一転、一気に時代をさかのぼり、激甚な被害をもたらす感染症と闘う、近未来の人々が描かれます。おおそう来たか、といった展開なのですが、たぶんこれだけでは終わらないんだろうなと。ああ、続きが気に(以下くり返し)。

ひつじ話

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