バーナデット・ワッツ「イソップのお話から」より「オオカミとヒツジかい」

「オオカミとヒツジかい」
オオカミとヒツジかい
オオカミが1ぴき、ヒツジのむれに、ながいことつきまとっていました。
でも、ちっともおそいかかるようすはみせません。
はじめのうちは、ヒツジかいも用心して、きびしくみはっていましたが、いつまでたっても、なにもおこりません。
ヒツジかいは、だんだん、オオカミを、じぶんのともだちみたいにおもいはじめました。
ある日、用事があって、まちへでかけることになりましたが、へいきでヒツジをオオカミにまかせたまま、いってしまいました。
ヒツジかいのすがたがみえなくなったとたん、オオカミは、ヒツジにおそいかかって、かたっぱしからたいらげてしまいました。
ヒツジかいがもどったときには、もう、あとのまつり。
「オオカミにヒツジをまかせるなんて、おれもよっぽど、どうかしてるよ!」

バーナデット・ワッツの絵による、イソップ寓話集です。
イソップ寓話は、これまでに、「狼どもと羊の群れと牡羊」「狼と仔羊」などをご紹介しています。


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