「きたない羊飼い」

「きたない羊飼い」挿画
そんなある日、ひとけのないところで羊の番をしていた姫は、急にむかしのごうかな衣装を着てみたくなった。
城を出るときまとめた荷物をいつも持ちあるいていたので、小川で手や顔の泥をきれいに落とすと、さっとぼろ着をぬぎすてて、あっというまにみごとな貴婦人に早変わりした。
このとき、たまたま猟に来ていて道にまよった王子が、遠くからこの美しいおとめのすがたを目にして、もっと近くでじっくり見たいものだと考えた。

「ふしぎな羊」に続いて、アンドルー・ラングの世界童話集から。やはり父王に城を追い出された王女のお話ですが、こちらのお姫様はぼろ着をまとって羊飼いになり、糊口をしのぐ行動力の持ち主。…………「毛皮娘」にはさすがに勝てませんが。

ひつじ話

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