「ファーブル博物記」

先頭にはロバたちが、身の回り品や食料を背負って進む。
(略)
旅の途中で生まれて、群れについて歩くには弱すぎる子ヒツジたちを、土地の民芸品の大きな笊の中にいれて、ロバの一頭が運んでいる。
かわいそうに子ヒツジたちは、ロバの動きにあわせて、メー、メー鳴く。すると母親たちも、ヒツジの群れの中からそれにこたえる。
(略)
アルプス地方の生け垣の中から切りとった、モチノキの杖をもち、粗布の大きなマントで肩を包んだこの男は、いったい何者だろう? それは群れの責任者で、羊飼いの親方だ。
かれのすぐあとに、愚かなヒツジの群れの指導者である雄ヒツジたちが道を進む。雄ヒツジの角は、鋭く螺旋状に二回り、三回りも巻いている。雄ヤギやロバと同じような白い木の首輪をしているが、名誉のしるしである特大の鈴には、鈴を鳴らす舌としてオオカミの歯がついている。
さらに赤い羊毛の房飾りが、もうひとつの栄誉のしるしとして、横腹と背中の毛につけてある。

ジャン・アンリ・ファーブルの「博物記」シリーズから、「人に仕える動物」の「ヒツジ」の章を。フランス南部での、羊の移牧の様子が描かれています。

ひつじ話

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