「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」

「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」
ある靴屋は仕事中にも市場をぶらつくことが好きだったので、あるときそのあいだにもオイレンシュピーゲルに皮を裁つよう命じました。
オイレンシュピーゲルはどんな形に裁ったらよいのかたずねたのです。
すると靴屋は「牧人が村から(家畜を)追い立てて行くときのように、大きいのと小さいのを裁つのだ」と答えました。
オイレンシュピーゲルは「ようがす」と返事をしました。
靴屋が出て行きますとオイレンシュピーゲルは、豚、雄牛、仔牛、羊、雌山羊、雄山羊など様々な家畜の形に皮を裁ったのです。
夕方になって親方は戻って来ると、職人が裁ったものを見ようとしました。
そして職人が皮を家畜の形に切り抜いたのを見たのです。
親方は怒ってオイレンシュピーゲルをどなりつけました。「お前は一体何をやらかしたんだ。わしの皮を使い物にならないように切り刻みやがって」。
オイレンシュピーゲルは答えました。「親方、あっしは親方のいうとおりにしたまでですぜ」。

中世ドイツの伝説的人物、ティル・オイレンシュピーゲルの物語から。凝った言い回しをしたがる親方と、遍歴職人オイレンシュピーゲルの愉快な(?)攻防。
他にも、織匠のもとで織工になり、羊毛を打って整えるのに「もっと高く(強く)」と指示されて、屋根の上で叩いたりもしています。

ひつじ話

Posted by


PAGE TOP