「プルターク英雄伝」より「アレキサンダー」

あたかもそのときクライタスは神に犠牲を献げようとしていたが、しかしただちに祭式を中止し、献祭の準備としてすでに神酒をそそがれた三頭の羊を曳きながら伺候した。
アレキサンダーはその趣を聞いて、例のアリスタンダーとラシディーモニア人クリオマンティスとの二人の神占者にこれを語り、クライタスが献祭を中止したことの意味を尋ねた。
二人の判断が凶兆と出たのみならず、彼自身も三日前、クライタスがパーミーニオの死んだ三人の子のそばに悲嘆して坐っている姿を夢に見たので、彼は神占者両人にたいし至急クライタスのために無事息災を祈って神に犠牲を捧ぐることを命じた。

プルタークによるアレクサンドロス大王の伝記から。
その政策を批判しつづけた末、ついに王自身によって殺害されるにいたった武将クレイトスの、最後の伺候の場面です。
アレクサンドロス関係では、リシマコス銀貨をご紹介しています。

ひつじ話

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