「石の羊と黄河の神」

いつからともなく、村には、こんな謎言葉が言い伝えられていた。
 うまい水飲むのはたやすいことよ
 石の羊出てくりゃ水を吐く
だが、いったい石の羊とはどんな宝物なのか、どこにかくしてあるのか、だれも知らなかった。
(略)
かなづちとのみの音をコン、コンとひびかせて、石工の少年は石の羊を彫りきざんだ。
石くずが山のようにたまり、石工の服は汗でびしょびしょ。
曲がった二本の角ができ、カールした羊のやわらかい毛ができ、キラキラ光る目玉、小さい四本の足ができ、九日のあいだ昼も夜もせっせと彫りつづけて、まるでほんとうに生きているような石の子羊がとうとうできあがった。

鑽羊洞のお話に続いて、中国の説話をもうひとつ。清水の湧く岩の由来説話です。
「石の羊」というイメージは、ひょっとして、ずいぶん奥深いのかもしれません。調べてみよう……。

ひつじ話

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