「キルフフとオルウェンの物語」

最初の難題は、幻影のような巨城。一行の誰もがかつて見たこともない壮麗な建物だった。しかしいくら馬を走らせても近づくことができず、彼らはとまどった。
城の前には、大群の羊が見渡すかぎり広がる平原で草を食んでおり、小高い所から一人の羊飼いが数千もの羊を監視していた。恐ろしい姿の男だった。羊一匹とて見失ったことのないのが彼の誇りだというが、牧羊犬のせいで羊には近づけそうにもなかった。馬のように大きく醜怪で、その息は全てを焦がしてしまうのだ(たぶん羊は除いて)。
キルフフたちは通訳に羊飼いと話をさせようとしたが、独りで行くのをいやがったので、魔法使いが牧羊犬に魔法をかけてから、ようやく皆で羊飼いに近づくことができた。そして、この巨大な城砦が巨人の王のものであることがわかった。

ウェールズの伝説から、アーサー王の従兄弟キルフフの冒険譚「キルフフとオルウェン」を。

ひつじ話

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