揺銭樹

揺銭樹
後漢時代(1?3世紀初)の四川省の墳墓からしばしば出土します。青銅の樹木には円形の銅銭が実り、幹を揺らせば、銭が雨のように降ってくる、労せずして莫大な財が手に入る「金のなる木」なのです。漢代の人々は、あの世でもお金に困らないようにと、この「夢の装置」を死者への餞にしました。
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揺銭樹には、こうした羊が樹幹を支える形式のものが少なくありません。金のなる木と羊の間には、どのようなつながりがあるのでしょうか。
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揺銭樹の形を見てください。横棒が一本多いですが、全体として「羊」の字形に似ていませんか。揺銭樹の枝は自然の樹木と違い、真横に張り出す形が普通で、結果として樹上の鳳凰と合わせて「羊」の字形に似るのです。羊の上に「羊」字形の樹木をたてることにより、「羊上加羊」という構図となり、文字を変換して「祥上加祥」(次々と良い事が起こる)という意味が添えられます。

東京国立博物館蔵の揺銭樹です。羊は、字形つながりで「祥」、音では「陽」と通じ、中国ではおめでたい図柄の中で使われることが多いようです。こちらは「祥」のほうですね。
玉瑞獣をご紹介したときにも、少しふれています。

ひつじ話

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