「鬼趣談義」

鬼吹 ― 幽霊はどんな行動をなし、人間に対してどんな技倆を示すか。第一には幽鬼は息を吹きかけて人を侵す。
(略)
袁随園がある人の言を引いていう、幽霊には気息がある。水死した幽霊は羊のようななまぐさい臭みがあり、陸上死の幽霊は紙の灰の匂いがする。すべて人はこの二気を嗅げば避けた方がよいと。
(略)
鬼嘯 ― (略) 正体を見せずに動物のような鳴声をたてる幽鬼もあった。ある材木店の主人が十二歳のとき早暁に村へ集金に出かけた。橋の近くまでいったとき、鼠を踏みつけたように啾々と声をたてる。聴くとそれは鬼嘯である。前に進むと、ふと変じて家鴨になり、家鴨の鳴声をたてる。急いで追いかけ、これに唾を吐きかけると、幽鬼は河を渡って去り、また羊の鳴声をすること数声にして絶えたと。

中国の幽霊話は、前に「捜神記」をご紹介しているのですが、こちらは、沢田瑞穂の論考からの抜き書きです。最初のものが袁随園「子不語」、二話目が明の銭希言「獪園」によるもののようです。

ひつじ話

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