宮中に来たひつじたち

羊は古くは推古天皇七年(599)九月、百済から二頭が来たと『日本書紀』に記され、平安時代にもしばしば朝鮮半島や中国大陸から渡来している。性質が穏和で小柄なため航海に耐えたからであろう。多くは宮中に進献され飼われたようだが、その末期には一見後に返却された場合がみられる。
『百練抄』には、「承安元年(1171)平清盛が院の御所に羊五頭をつれて来たが、三か月ほどで返却された。これは近ごろ流行病があって人びとはこれを羊病と呼んだ。それは仙洞御所に三頭羊を飼っているためだと噂されたからである」と記されている。
果たして羊が病気を媒介したか否かはともかく、羊が渡来するのと時を同じくして人の往来や貿易のはげしくなった大陸から病気がもちこまれたことは確かであろう。

・・・・あとの二頭はどうなったんでしょうか。

ひつじ話

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