「論衡」物勢篇

あるひとはいう―寅は木であって、それにあたる獣は虎である。戌は土であって、それにあたる獣は犬である。丑も未もまた土であって、丑にあたる獣は牛、未にあたる獣は羊である。木は土に勝つがゆえに、犬・牛・羊は虎に征服されるのだ。 (略)
その答はこうだ。もしも論者のいうとおりだとすれば、血の通っている動物は、たがいに勝てないという証拠もたつ。 (略)
亥は豕、未は羊、丑は牛である。土が水に勝つならば、牛や羊はなんで豕を殺さないのか

後漢の頃、王充によって著された「論衡」は、万物にツッコミをいれまくった元祖懐疑論な書物ですが、「物」の本質について語った「物勢篇」では、五行説に対して愉快な批判がなされています。なんで豕を殺さないのか・・・。
なお、注釈にも興味深い一文がありましたので、下に。

郭沫若の『甲骨文字研究』(「釈支干」)によれば、十二支を獣にあてはめたのは『論衡』の記事が最初だが、それはインド・バビロニア・エジプトで行われており、前漢時代にバビロニアのものが西域諸国を経て伝わったらしいという。

ひつじ話

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