「星  プロヴァンスのある羊飼いの物語り」

―じゃあ、あなたがた羊飼いは魔法を知っているっていうのはほんとう?
―いいえ、ちっとも。だけどここにいると星に近いんで、平地にいる人よりか星の世界のできごとをよく知っているんですよ。
 お嬢さんは相変わらず上を向いていた。頭を片手で支えて、羊の毛皮にくるまって、可愛い天の牧童のように見えた。

19世紀フランスの作家アルフォンス・ドーデーの短編集「風車小屋だより」から、「星」を。
山の上で羊番をする青年と、食糧を運んできた主家のお嬢さんの、静かな会話です。

ひつじ話

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