遊休農地に羊32頭を初放牧 泰阜黒見めん羊牧野組合

 遊休荒廃農地を利用して羊の牧場を作る事業を進めている泰阜村「泰阜黒見めん羊牧野組合」は十一日、柵で囲った二・三ヘクタールの遊休農地に、三十二頭の羊を初めて放した。
 遊休農地が荒廃し山林化すると獣害が深刻化するため、同地域では、県が今春、雑木を伐採して緩衝帯を設ける事業を行った。
 この緩衝帯に新しい羊の放牧場所を探していた飯田市上久堅の小林めん羊牧場が着目し、新しい土地利用として地権者らに提案。地権者六戸が組合をつくり、放牧場とすることにした。
 放された羊は肉用種のサフォークで、ほとんどが雌。牧場の草を食べ尽くす十一月初旬まで放牧した後、小林めん羊牧場に返して冬に出産させる。来年は五月ごろに再び放牧させる。
 羊を提供する小林めん羊牧場の小林一男さんは「羊が草を食べてくれるので、放牧するだけで遊休農地が牧場に変わり、お年寄りでも管理できる。眺めもいい場所だし、いずれはスイスのような美しい牧草地にして、焼き肉店を出すなど、村の観光拠点としたい」と意気込んでいた。


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