羊の「散髪」 悪戦苦闘

近所の人が見守る中、羊の毛刈りをする
 古座川町鶴川の医師、森田裕司さん(53)、貴久子さん(51)夫妻が22日、夏が来るのを前に、田の除草の助っ人として飼っている羊の毛を刈った。2年ぶりの「散髪」が終わると、羊は涼しそうな顔で田に戻った。
 普段見られない光景に出くわした通行人や近所の人らは珍しそうに声を掛けていた。
 森田さんは18年前に大阪から移り住み、「農薬や除草剤を使わない食」が大切と自然農法にこだわっている。
 羊は昨年9月に知人から譲り受けた。羊と、同時期に来たトカラヤギ、5年目のザーネン種のヤギの3匹が、アイガモとともに田の除草を手伝っている。
 家畜用に改良された羊は、野生のように自然に毛が生え替わらないため、毛刈りが1年に1度必要。夏に毛があると暑さでばててしまい、冬は防寒で必要なため、毛刈りは通常、春にする。昨年は刈っていないため、2年分の毛が体をまとっていた。
 森田さん夫妻らは暴れないよう頭や足を押さえ、羊に優しく声を掛けながら、専用のはさみで刈った。裕司さんは、大学時代に電気バリカンで刈った経験があるが、はさみを使うのは初めて。テレビやインターネットで見たように、はさみを動かすが、羊が時折暴れたり、肉を切りそうになったりと汗をかきながら1時間半、苦闘した。
 通りかかった人が「オーストラリアでの早刈り大会の優勝者はバリカンで17秒だ」と笑い、森田さんは「はさみは難しい。高いけど電気バリカンを購入したい」と話した。
 近所の人によると、戦後しばらく町内のあちらこちらで、毛皮を採取するために飼っていた風景が見られたという。
 刈った毛は脂分を含め、約3キロ程度にもなった。セーターが2枚編める量という。

なんでさらっとそんなことを知っているのでしょうか通りがかりの人。


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