池田「スピナーズ・ファームタナカ」で牧場実習 将来の夢は羊飼い 仙台の主婦・小林さん

 羊毛の織物体験観光で知られる町内清見の牧場「スピナーズ・ファーム タナカ」(田中忠二代表)に、将来、羊飼いになることを夢見ている主婦が仙台から単身で実習生として滞在している。二月から七月まで約半年間、羊の飼育法を学び、「将来は自分で牧場を経営したい」と実習に励んでいる。
 小林由美さん(38)。昨年七月に夫と道内旅行で同ファームを訪れ、人と動物が仲良く触れ合う生活に魅せられた。「旅行後も『羊飼いになりたい』という気持ちやまず、実習生として学ばせてくださいとお願いしました」と小林さん。田中代表は「これまで帯畜大関係などの実習生を迎えたことはありますが、主婦は初めて。戸惑いましたが、『羊飼いの基礎から学びたい』という熱心さに押されました」と言い、羊の出産の世話や放牧、毛刈りなどを学べる二?七月まで受け入れることにした。
 小林さんは二月四日から田中代表宅に住み込み、実習を始めた。午前中は羊の給餌や牧舎の清掃、午後は羊毛の糸紡ぎや機織りを学んでいる。
 同ファームでの研修前に仙台の牧場でも研修を受けてみたが、そこは食肉にする羊を飼育していて、羊毛生産の同ファームとは飼育方法が違っていたという。「羊毛生産の場合は、羊同士がぶつかり合って毛が傷んでしまわぬよう牧舎を過密にしません。羊はストレスがなく伸び伸びしていて人によく懐いてくれますね」と小林さん。
 「夫が転勤族の会社員で牧場経営を夢見るのは現実的かと悩みました」と言うが、田中代表が元中学校教員で、定年退職後に牧場を始めたのを知って、「老後からでも羊飼いになれる」と自信を深めた。小林さんは「夫の定年を目標に、今からしっかりと基礎を学んでおきます」と張り切っている。


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